Anthropicは8月25日、AIアシスタント「Claude」のメモリ機能をアップデートした。
通常のClaudeチャットと、複数ステップの作業を実行する「Claude Cowork」で同じメモリを共有するようになり、一度伝えた情報を別の機能でも引き継げるようになった。
さらに、Claudeが何を記憶しているのかを利用者自身が確認し、編集や削除もできる。
AIが利用者の情報を継続的に覚える一方、その記憶をユーザー側で管理できる仕組みが強化された形だ。 (Claude)
チャットで伝えた情報をCoworkでも利用
今回のアップデートでは、通常のチャットとClaude Coworkのメモリが統合された。
例えばチャットで、
- 現在進めているプロジェクト
- 締め切りや優先順位
- チーム内で使う用語
- 資料の書き方
などを伝えておけば、Coworkで別の作業を依頼するときにも、その前提を引き継げる。
逆に、Coworkで新しく分かった情報も、次回以降のClaudeチャットで利用される。
これまで機能を切り替えるたびに同じ背景情報を説明していた場合、その手間を減らせるようになる。 (Cornerstone of Hope)
会話中にメモリを更新
メモリを保存する仕組みも変更された。
従来は会話終了後に内容を整理して記憶する方式だったが、新しいClaudeでは会話中にメモリへ情報を追加する。
例えば、プロジェクトの締め切りが9月へ変更されたことを会話中に伝えれば、その情報がメモリへ反映され、次回の会話から新しい締め切りを前提として利用できる。
毎回「これを覚えておいて」と指示する必要も減る。 (Cornerstone of Hope)
Claudeが覚えている内容を自分で確認できる
今回のアップデートで重要なのが、記憶されている情報の透明性だ。
Claudeの「Settings → Memory」には、記憶されている内容が「Topics」として整理される。
利用者はそれぞれの内容を確認し、
読む・編集する・削除する
ことが可能だ。
例えば会社名が変更された場合、保存された情報を直接修正すれば、以降の会話でも新しい名称が利用される。
メモリ機能自体を一時停止したり、リセットしたりすることもできる。 (Cornerstone of Hope)
センシティブな情報は原則保存しない
一方、健康、宗教、政治的信条、人種・民族、ジェンダーアイデンティティなどのセンシティブな情報は、初期設定ではメモリに保存されない。
利用者が必要と判断した場合には、設定からセンシティブな情報を記憶する機能を有効にできる。
ただし、政府発行の個人識別番号など、一部の情報については設定を変更しても記憶されないとしている。
センシティブ情報を保存する設定は初期状態ではオフとなっている。 (Cornerstone of Hope)
Freeプランでも利用可能
新しいメモリ機能は、Web、デスクトップ、モバイルのFree、Pro、Maxプランで利用できる。
これらの個人向けプランではメモリが初期状態で有効になっており、必要に応じて設定から変更できる。
TeamとEnterpriseでは、組織の管理者がメモリ機能を利用可能にするかを管理し、個々の利用者が自分で有効にする仕組みとなる。 (Cornerstone of Hope)
AI LinkHub解説
今回のアップデートで特に重要なのは、単に「Claudeがたくさん覚えるようになった」ということではありません。
AIが覚えている情報を、利用者自身が確認して修正できるようになったことです。
AIのメモリは便利ですが、間違った情報を覚えたまま使われると、その後の回答にも影響する可能性があります。
そのため、
覚える → 確認できる → 修正できる → 消せる
という仕組みは、AIを長期間使ううえで非常に重要です。
また、チャットとCoworkでメモリが共通化されたことで、Claudeは「質問するたびに一から説明するAI」から、継続的な仕事やプロジェクトを支援するAIへさらに近づいたと言えます。
今後AIエージェントが複数の作業を代行するようになれば、AIがどれだけ高性能かだけでなく、「これまでの経緯をどこまで正確に引き継げるか」も使いやすさを左右する重要な要素になりそうです。
一方で、AIに何を覚えさせるのかは利用者側でも意識する必要があります。
便利だからすべて保存するのではなく、設定画面で一度メモリの内容を確認し、「覚えてほしい情報」と「残したくない情報」を自分で管理する使い方が重要です。
情報元
Anthropic:Claude’s memory works everywhere, and you decide what’s in it


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